今や約5秒で血糖値が測定できる血糖値測定器。そういえば、筆者が若者だったころ、ウォークマンという今では少々大きい音楽機器があった。カセットテープをウォークマンに入れて持ち運びができ、画期的な機器であった。今の若者はそんな化石みたいな機器を知らないだろうが、そんなウォークマンも今や、もっと高性能で小型化されたipodやiphoneに取って代わられたのである。

 

血糖値測定器も同じ

血糖測定器も小型化され、高機能化になった。機能面で見れば、7日、14日、30日間の平均血糖値などはもはや当たり前に見れる。またiphoneのように血糖測定器とPCをケーブルでつなげば、過去に測ったデータも吸い上げられる。

もっと最先端のものであれば、海外では、血糖値を測定するとwirelessでインスリンポンプへ伝達される、そんな血糖値測定器もあった。測定さえすれば、何もせずにインスリンポンプ側が血糖値を表示してくれるのだ。

「おっ、こりゃ〜すげえ!」

だけど、血糖値測定器の進化はインスリンなどの薬剤やインスリンポンプなどの医療機器に比べて、ドクターや患者からもフォーカスされていないように感じる。

 

当たり前となった血糖値測定器であるが

地味ではあるが素晴らしい発展を遂げてきた血糖値測定器である。筆者が海外で在学していた大学は、かつて血糖値のセンサーの開発に貢献した学校だった。そんなわけだから、自慢げに開発したセンサーの展示品などが置かれ、当時の科学者たちの功績が讃えられていた。

そこはある種、博物館みたいになっているのだけれど、展示されたセンサーは古く化石のように思えた。しかし、このような科学者の功績がない限り、現在のセンサーはない。そう、温故知新なのである。しかし、今の現代、先に行くことに夢中になり過ぎているような感もある。焦って、つまずかなければ良いのだけれど・・

さて、血糖値測定器を使って測った血糖値で先日、1型糖尿病の知り合いから電話があった。電話の内容はこんな感じであった。

知人「先日、食前の血糖値を測ったら110mg/dlだったのよ〜」

筆者「いい数値じゃないですか〜、羨ましいですよ。」

知人「私としては90mg/dlぐらいに落としたいのだけど・・」

筆者「90も110も大して変わらないじゃないですか〜」

知人「いや〜、やっぱり高いわよ、110だと」

この会話から、何を想像するだろうか?食前の血糖値は90のほうがいいじゃないか。いやいや、110でもいい良いよ。ないしは、まあ正常値なんだからいーんじゃないか。

 

だけど、ちょっと忘れていることが・・

当たり前となった血糖測定はSMBGとも呼ばれる。Self-Monitoring of Blood Glucoseの略であり、単語を日本語に無理やり訳せば「自分で測定する血中のグルコース」となる。アホンダラな筆者には、わけのわからない医学文献に出てきそうな日本語である。そのためわかりやすくすると「血糖自己測定」となる。

そんなSMBGを支えている血糖値測定器であるが、ちょっと気になったことがある。それは、表示された血糖値はあくまで参考値である、ということ。そう、ある程度の誤差があるのである。先ほどの知人との会話の例で言えば、血糖値は110mg/dlであった。だけど、この数値は正確に言えば「約110mg/dl」とか「110mg/dl前後」なのである。

 

血糖値測定器の誤差を知りたいならば

血糖値を2回測ってみることをお勧めする。値段の高いセンサーやチップがもったいないのであるが、センサー1枚分以上の発見がある。

血糖値が高い時や血糖値が低い時、どのくらい血糖値の誤差があるのか?

これは2回測った人しかわからないのである。

この記事は血糖測定器の細かいことに続きます。

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