この記事はカーボカウント(実践:上級編)の続きになります。

誤解というのは本当に恐ろしい。誤解が生まれる原因は、伝え方が悪かったり、勘違いがあったり、人とのコミュニケーションのあいだには様々な誤解が生じている。

 

例えばあるビールのCM

最近、糖質OFFのビールが増えてきた。もし、あなたが糖尿病患者であれば、糖質はできるだけ控えたいでしょう。「だって、糖質は血糖値あげるもん」。ここまでの知識は正しい。そりゃ、僕だって糖質OFFのビールならありがたい。たとえ1型糖尿病の僕が飲んだとしても、インスリン打つ必要はないし、血糖値を気にする必要もない。あー、ありがたい。だけど、この糖質OFFビールのCM、なんか変だぞ・・

 

ごはん=砂糖何個分

たいていの人は、ごはんが砂糖何個分だかわからない。ここで誤解を生じさせる。そもそも、「ごはん」と「砂糖」とは全く異なる食べ物である。ごはんは炭水化物であり、炭水化物=糖質+食物繊維。一般的に砂糖と呼ばれているものは、ほとんどがショ糖である。ショ糖とは、簡単に言えば、2つの糖が合わさったもの、ブドウ糖(グルコース)+果糖(フルクトース)であり、2糖に分類される。だけど「糖質」という言葉だけにフォーカスしてしまうと「ごはんも砂糖も同じ糖質ではないか?」と思われがちだが、ごはんには微量ながら「食物繊維」が入っている。ここに「ごはん」と「砂糖」の大きな違いがあると筆者は思う。

 

ごはんは血糖値をあげる、だけど砂糖ほど早くない

「低血糖の際はブドウ糖をとりなさい」これは、インスリン依存患者が医療従事者から言われるセリフである。では、なぜ砂糖よりもブドウ糖(グルコース)を取るのがいいのか?それは、ブドウ糖は単糖であり、砂糖などの2糖と違い、体の中で分解する必要がない。だから血糖値はすぐ上がる。それとは反対に、ごはんには糖質もあるけど食物繊維が含まれている。この食物繊維は「消化吸収を遅らせる成分であろう」ということが言われている。だから単純に、ごはん=砂糖何個分、なんていう宣伝文句はナンセンス。そして僕はごはん(炭水化物)が大好きである。だから、このようなCMにだまされず、腹一杯ごはんを食べて、インスリンを打つ。そんな生活をしてる。だけど、食品成分表に則って、炭水化物量は総カロリーの半分くらいで我慢はしてる。そして、カーボカウントマスターならば、このようなCMに踊らされることはない、そう願う。

 

ポイントは消化吸収の速度で血糖値は決まる

ご飯の食べ方として、消化吸収の早い食べ方は、おそらく「おかゆ」である。おかゆを食べると、普通のごはんを食べるのに比べ、血糖値の上昇は早い。もし、あなたが1型糖尿病患者さんであれば、一度試してみることをお勧めする。また、ごはんに比べて、玄米などは食物繊維の含有量は多く、恐らく「ごはん」に比べ血糖値を緩やかになるであろう(筆者は実験したことがない)

 

だから糖質という言葉は誤解を招きやすい

現在、「糖質制限ダイエット」という言葉をTVのCMやインターネット広告で良く見かける。そして、「糖質」をターゲットにして、いろいろな啓蒙活動も行われている。僕は悪いことだとは思わない。ただ、行き過ぎには注意が必要。前にもお伝えしたが、1日の推奨、炭水化物量は総カロリーの50%程度。これはヨーロッパでも同じ。カーボカウントをマスターする前に、日本糖尿病学会が発行する糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版をきちんと読んでから、カーボカウントを実践しよう!カーボカウント:超上級編へ続く・・

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