朝の7時に起きて、朝ご飯は8時に食べる。食卓の白い皿にはサラダ、スクランブルエッグ、そして炭水化物のパンが所狭しと置かれている。朝食はだいたいパン。食パン、フランスパン、レーズンロール、姿カタチは違えど同じパンが我が家の朝食の炭水化物である。

喫茶店のようにバターが浸み込んだ4枚切りの食パンを食べたい・・しかし、いつもそこにあるのは8枚切りのものだ。どうも嫁さんは薄いパンが好きらしい。8枚切りならば、炭水化物量はだいたい20gではないか、と眼前のパンを見つめ記憶を辿る。

いまや日課となった朝食だけど、ヨーロッパで勉強していた頃は見向きもしなかった。食事が極めて悪評の国だったもんだから、朝マックが最上級の朝めしと思えた。アメリカでは終日朝メニューを選べるらしいけど、時間のない朝にマックに行ってる余裕はなかった。大学の食堂では1時間目の授業が終われば、ビスケットと飲み物が提供された。学生たちはビスケットを頬張り、コーヒーを飲んで、日常生活や授業のことなどを話し合った。僕はビスケットには手をつけず、コーヒー片手にタバコばかり吸ってはいたけれど・・

「Shin、ビスケットいっぱいあるぜ、食べる?」

仲の良かった生徒が手に収まらない程のビスケットを持ってきてくれた。小さいものから大きいもの、チョコレードがコートされたもの、ビスケットは沢山あった。たくさんの種類のビスケットはおいしそうに見えたけど、炭水化物の量がわかんなかった。だから、いいや、ありがとうと言って断った。

ビスケットにも大きさや種類があるように、同じ食品でも大小さまざまにある。住んでた国はフィッシュアンドチップスが有名だった。だけど、お店によっては周りの衣が薄かったり、厚かったり、様々だった。それこそ、魚の大きさもマチマチで、巨大なものもあった。大きなフィッシュアンドチップスを見れば、炭水化物量なんてわかんないよと独り言をつぶやいてたっけ。

多種多様な食事を目にすれば、血糖値の管理には同じ食事が良いなんて思えちゃう。だから、いつもの朝マックを食べて、いつもの単位を打つ。炭水化物の量だってわかってる。だけど、これでは僕の食生活はあまりにも粗末というか惨めだ。それも嫌だったから、海外にいたころは見たこともない物を恐る恐る食べては、食後の血糖値を勇ましく測っていた。

朝食で食べるパンも、意外と種類は多い。カレーパン、あんぱん、ピロシキ、朝食でそれこそ出されたら僕の脳みそは少し混乱してしまう・・

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