1型糖尿病を発症して今年で30数年が経つ。病歴が25年目くらいから対処に苦労しているのが睡眠だ。僕の睡眠は、一時は本当にひどくて一晩中眠れなかったり、寝ても4時間くらいで目覚めてしまったりと、とにかく睡眠不足で悩まされた。
ひつじの数をかぞえても眠れなかったし、運動しても眠れない、お風呂に入っても眠れない。眠れないことがとにかく嫌だった…
そんなわけで、2010年くらいから睡眠外来を受診し始めた、いろいろな睡眠薬を処方してもらった。おかげで多少眠れるようにはなったけれども、昔のようにぐっすり眠れることはあまりなく(ぐっすり眠るとは、どういうことなのかすら忘れてしまっているけれど)、睡眠の質も改善したいというのが切実な願いである。
眠れてますか?
以前、女性の先生(糖尿病専門医)から、眠れてますか?と声をかけられたことがある。なぜ先生は、眠れてますか?と聞くのだろうか、眠れているに決まってるじゃないか、と当時は思った。
糖尿病の罹病期間が長くなるにつれて、徐々に眠れなくなったわけだけれど、最初はあまり睡眠不足を気にすることもなかった。なぜなら日常生活に問題がなかったからだ。けれど、不眠が進行するに従って、眠れてますか?という自分への質問は大切なものになっていったように思う。眠れているのだろうか。だって、1型糖尿病を患って相当な年数が経つわけだし、いつ不眠症になったっておかしくないわけだから…
最近の薬
ただ、最近、睡眠外来の先生の処方してくれる薬が変わり(おそらく僕に適した処方になっているはずだ)質の良い、ぐっすり眠れたと感じられるような睡眠ができるようになってきたのだ。じつに、嬉しい。
7年間、あまり眠れていなかったせいか、僕は熟睡する感覚すらも忘れかけていた。だけど、先日からようやく熟睡できるようになり、あー、よく眠った!という朝を迎えることができた。7年ものあいだ、睡眠外来に通いつづけた結果なのだろう。
そして、熟睡にともなって、寝ているあいだの血糖値も落ち着いてきたから一石二鳥である。24時間血糖測定できるデバイスのおかげで、睡眠中の血糖値は次の日にはグラフでわかる。睡眠中は、乱高下せず、高血糖でも低血糖でもないフラットな血糖値である。
だから、僕にとって眠ることは食事やインスリン同様に、本当に大切なことなのだ。