この記事は夕食後の悲劇の続きになります。

今週の火曜日、僕はひどい下痢に悩まされ、おまけにインスリンを打ち忘れてしまったせいで、夕食後の血糖値は空前絶後の554mg/dLになった。

食事の際、いつも打っている超速効型インスリンを打ち忘れたとはいえ、1日の基礎分泌であるBasalのインスリンはきちんと注入していた。

つまり、体からインスリンが全く出ていない僕は、1日1回打って24時間効くインスリン(持効型溶解インスリン)と、食事の際に打つインスリン(超速効型インスリン)の2種類を打っているのだ。インスリンのタイプを知りたい方はインスリンの種類についてをご覧ください。

なので、たとえ食事のときにインスリンを打ち忘れたとはいえ、554mg/dLという血糖値はあまりにも高過ぎる結果だ、と僕は直感的に思った。

そう、血糖値が500オーバーではなく、300mg/dLとか400mg/dL前半ならば、

「食事の際にインスリンを打ち忘れたから、しょうがない」

と笑い飛ばしていただろうに・・

そして、家内は顔面蒼白だった。だから脂汗をかきながらも、僕は落ち着いて、できるだけ冷静に原因を考えた。なぜ、今の血糖値は554mg/dLなのか、と。


糖尿病性ケトアシドーシス?

糖尿病ケトアシドーシスは、インスリンの極端な欠乏とインスリン拮抗ホルモンの増加により、高血糖(≧250mg/dL)、高ケトン血症(β-ヒドロキシ酪酸の増加)、アシドーシス(pH<7.30、重炭酸塩濃度<18mEq/L)をきたした状態であり、緊急の対応が必要である。

引用元:[PDF]19.糖尿病における急性代謝失調 p.263 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013 – 日本糖尿病学会

医学的なことはよくわからなかったが、ネットを叩けば、上記の記事があった。嫌な予感が頭の中をかけ巡った。冷や汗もたらりと流れた。そう、糖尿病性ケトアシドーシスは、進行すると最悪、死に至るものだからだ。ただ、ケトアシドーシスの症状と言われる嘔吐や腹痛はなかった。

激しい下痢には襲われていた。けれど、まだ昏睡には陥っていなかったし、意識も普通だった。ただ、漠然とした不安に襲われた。だって500mg/dLオーバーだもん。

 

そして、僕は、長年の1型糖尿病生活から、5種類以上の血糖測定器を持っている。その中には、ケトアシドーシスを発症する危険度を知るための、血中のβ-ケトン体も測定できる少々マニアックな血糖測定器もある。

家内はすぐさま、そのことに気づいた。

「あなた、ケトン体、測ってみたらどう?」

「そ、そうだな。そうしよう・・」

僕は、専用のセンサーを開封し、すぐにβ-ケトン体を測った。

結果は1.4mmol/L

さらに冷たい汗が、額から流れた気がした。ただ、この値が糖尿病性ケトアシドーシスの危険水域なのかどうか、正直わからなかった。思わず、センサーが入っていた箱の中をまさぐった。そして、いつも綺麗に畳まれている、詳しい使用説明が書いてある添付文書を、一字一句、丁寧に読んだ。その結果・・Part3に続く。

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