この記事は夕食後の悲劇 Part2の続きになります。

血中のケトン体、すなわちβ-ヒドロキシ酪酸という、いままで聞いたこともない意味不明な物体を測れる少しマニアックな血糖測定器を僕は持っていた。

だから、その血糖測定器で、早速、自分の血液をセンサーにつけて、血中ケトンを測った。結果は1.4mmol/Lという数値だった。

1.4という数値が高いのか。低いのか。何がなんだかわからなかったけど、皮肉にも画面には、『高ケトン』という文字に、『』という特別のマーク付きで表示されていた。患者へ危険度を示す『!』マークなのだとすぐに理解し、高いケトンの数値なのだ、とわかった。

このまま、ケトアシドーシスになってしまうのか。いきつくところは意識障害。いや昏睡なのか。見えない不安が僕を襲う。そして、1.4mmol/dLという数値についても、少し調べたかったので、おそるおそるセンサーが入っていた箱の中にある添付文書を読んだ。

 

糖尿病性ケトアシドーシスの一歩手前?

添付文書には、血糖値が300mg/dL以上で、ケトン体の測定値が1.5mmolを超えた場合、糖尿病性ケトアシドーシスを発症する危険がある、と書いてあった。

僕の血糖値は554mg/dL。そして、β-ケトンの測定値は1.4mmol/Lだったので、一歩手前なのか。正直、よくわからない。ただ、ドクターに結構急ぎで、連絡しなければいけないことには間違いなかっただろう。

ただ、僕はしばし、時間の経過を待った。

なぜなら、夕食後に、インスリンを打ち忘れていた!と気づいたときに僕は5単位のインスリンを打った。その効果が出始めているかもしれない、と思ったからだ。

まったく、いったい、どうなってるんだ、僕の血糖値は?下がったのか、それとも下がってないのか、ええっ、血糖値よ。本来、高血糖ぐらいで、こんなに不安になることなど今までなかったのに・・

そして、554mg/dLの血糖値から18分後に、僕は再度、血糖値を測った。

 

結果は480mg/dL・・

数値だけ見れば、前の血糖値よりも74mg/dL下がったことになる。けれど、けれど、だ。血糖測定器の数値は、あくまで参考数値であって、554mg/dLも480mg/dLも、僕にとっては同じようなものだった。(詳しくは血糖値測定器の死角をご覧ください)、だって仮に、もう一回測ったら、500mg/dLと表示されていたかもしれないし。

ただ、依然として高血糖であることは事実だった。

具なしレトルトカレーのような僕の下痢も、依然として止まる気配を見せなかった。

家内はPCを前に、何かを懸命に検索している様子だった。

そして時計は、そろそろPM11:00を指そうとしていた・・Part4に続く。

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