この記事は夕食後の悲劇 Part4の続きになります。

夕食のときに、インスリンを打ち忘れ、それに気づいてインスリンを打ったおかげで、554mg/dLという血糖値は徐々に下がっていった。ただ、あまり期待するほどには下がらなかった。

その一方、β-ケトンの測定値は、この1時間くらいのあいだに、みるみる下がった。最初は1.4mmol/Lという危険水域からスタートし、その後、1.0mmol/L、つぎは0.5mmol/Lと急降下したのだ。

そのうちに、具なしレトルトカレーのような下痢も徐々に収まって、糖尿病性ケトアシドーシスへの不安も消えていった。

そう、高血糖だけならまだしも、下痢という脱水の症状が重なると、どうしても糖尿病性ケトアシドーシスの不安が頭をよぎる。つまり、インスリンを打ち忘れただけの高血糖だけならまだいいけれど、そこに体調不良(今回は下痢だったけれど)も重なると、血糖値だけでなく、血中のケトン体をも測りたくなってしまうのだ。

ただ、今回は、下痢をともないながらも、無事に高血糖は収束したのだった・・

すごく厄介だ!

ときどき、自分の1型糖尿病をそう感じることがある。

ときには低血糖の対処でブドウ糖を食べたりしなきゃなんないし、高血糖の対処でインスリンの注射だって必要だし、いろいろな面倒があるわけだ。

1型糖尿病に限っていえば、糖尿病性ケトアシドーシスも忘れずに頭にいれておいたほうが良い。ただ1型糖尿病患者だからとはいえ、しょっちゅう糖尿病性ケトアシドーシスを起こすわけではない。ケトアシドーシスになるのは、1型糖尿病が発症した時だけなのかもしれない。

1型糖尿病を発症して、その後、インスリンの治療を始めれば、ケトアシドーシスはなかなか起こらない、と僕は考えていた。いや、だからこそ、怖いのだ、ケトアシドーシスは。そう、災害は忘れたころにやってくるのだ!

ケトアシドーシスになれば、重症な低血糖と同じように、意識障害は起こるし死に至る場合もあるので、本当に注意が必要だ。もちろん、患者自身の僕も注意が必要であるし、患者さんの周りにいらっしゃる方がたも覚えておいて損はないはずだ。そして今回、糖尿病性ケトアシドーシスの怖さを身をもって知った小生であった。

ただ、頻度という意味では、ケトアシドーシスに比べて、低血糖のほうがよっぽど日常茶飯事ではあるけれど・・

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