恐怖の合併症が起きたのは、かれこれ10年も前のことだろうか。眼科でわかったものだから、あの暗い眼底検査をする部屋で、自分の暗い未来みたいなものを想像した日々を過ごしたのであった。

 

合併症というもの

もちろん、合併症にはHbA1cが良くなれば治るものと治らないものがある。だから合併症の早期発見はとても大事ではある。ただ、僕の中では、この合併症を発病してから、少し大切なものが変わった気がする。

食事すればインスリン、夜寝る前にもインスリン、糖尿病の治療はインスリンが必要と絶対的な信念があった。インスリンこそが血糖値を下げる、と信者のように崇拝していたのかもしれなかったけれど・・

 

インスリン

仕事で忙しい人などは朝食を抜いたりする人もいるでしょう。夕食を食べずに寝てしまう人だっているでしょう。そりゃあ、僕だって多忙な毎日を送っていけば、血糖測定のことは忘れてしまうさ。だって、インスリンの方が必要不可欠なんだから。糖尿病の僕だって必要最低限しかやらなくなってしまう。それは食事でのインスリン注射と低血糖での捕食、それだけであった。

昔の血糖測定はとても時間がかかって、血液の量も沢山必要だったから血糖測定はかなり面倒だった。低血糖という不測の事態にでも測ればいい、そんな思いも重なった。だから血糖測定などは極めて優先順位が低く、二の次、三の次だった。1日2回ぐらいの測定をすれば、今日はかなり測ったという快感で満たされる日々だったような。

だけど、合併症の発症で、意地でもこの進展を食い止めたかったもんだから、僕の脳みそに頑張ってもらった。冷や汗をかきながら、訳のわからぬ医学的な文献も読んではみた。そんな中、ヘモグロビンA1cの改善がもっぱら糖尿病の治療、いや合併症の治療にもなることだと理解はした。

 

変わったこと

また、ヘモグロビンA1cは血糖値を測定することである程度把握が出来るということを知った。インスリンは量を打ち過ぎてもいけないことを知った。日中に自分では気付かない低血糖があることも知った。そんな知識が増えたもんだから、面倒でも、どこでも、いつでも、血糖測定をするようになった。

こういったことから、僕の頭の中では、不遇だった血糖値は優先順位を次第に上げていって、ほぼインスリンと同等の地位を獲得した。そんなわけで、インスリンの注射と血糖の測定が再びワンセットになった瞬間だった。

いやはや・・多忙になると面倒なことはすぐ忘れてしまう筆者であった・・

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