1型糖尿病の僕にとって、極めて難しいのはインスリンの単位の決め方。今では、カーボカウント法を使って、ある程度は論理的にインスリンの単位を決めてはいるけれど、それでも低血糖は何度かくるし、高血糖もそれなりにある。

その昔、カーボカウントを使ってなかったころは、経験と勘でインスリンの単位を決めていた。血糖値が高かったり、食べる食事の量が多ければ、かなり多めにインスリンを打った。1食食べれば、だいたい16単位とか20単位、多いときには24単位の超速効型インスリンを打った。

 

インスリンは血糖値を下げる

多めに打っていたはずのインスリンなのに、翌日の血糖値は高かった。そういうことがよくあった。あれだけのインスリンを打ったのに血糖値が下がっていない・・食事を多く食べ過ぎたのだろうか・・それとも、もっと多くのインスリンを打つべきだったのか・・正直、血糖値が高い原因などはよくわからなかった。そして深く考えもしなかった。

 

多いインスリンの単位(量)

インスリンを多く打てば、血糖値は下がりそうではある。しかし、実はそうでもない。

身の毛もよだつような、低血糖昏睡を経験した1型糖尿病患者さんならわかると思う。そう、低血糖昏睡になって、意識が回復したあと、血糖値は異様に高くなる。そしてインスリンを打っても血糖値が下がらなくなる。そういう経験ってないだろうか。

要するに、血糖値が高い、からと言ってむやみにインスリンを多く打ち過ぎれば、低血糖が起こる(低血糖症状があるなしは別として)。仮に、その低血糖に気づかなかったしても、低血糖の反動で勝手に高血糖になることがある。低血糖の反動の高血糖はとても下がりにくい。おまけに、体もまいってしまう・・

だから、インスリンを多く打ち過ぎると、逆に血糖値が下がらなくなることがあるので、注意が必要である。

 

そうならないためにどうするか

まずは血糖値をしっかり測ることが肝要。極端に多く測る必要などないとは思うけれど、食事と食事の間の血糖値の流れをおおまかにでも把握しておく必要がある。つまり、食前と食後の血糖値は測っておいたほうがよい。

食後に血糖値を測ってみれば、実は食後に低血糖を起こしていることがあったりする。自覚症状などまるでない低血糖・・そして、自覚症状もないまま、低血糖の反動で、じわじわ血糖値は上がっていき、次の食事の前には高血糖だったりする。

皮肉なもので、インスリンの単位(量)は多ければいい、というものでもない。適正な単位を打たない限り、低血糖と高血糖をいったりきたりするのである。僕は、以前、そのような状態にどっぷりはまった。そして、あまり血糖測定もしていなかったから、低血糖の存在などに全く気付かなかったのである。

また、当時のインスリンの量(単位)は、今よりも間違いなく多く打っていた。けれど、当時のHbA1cは9.0%代と高かった(今は7.3%ぐらいだけれど)。つまるところ、インスリンを多く打てばHbA1cが下がるってわけでもないのだ。

そう、自分にとっての適正なインスリン量を知ることが本当に、まじで、いかにも、大切なのである。そのために、かならず血糖測定はしよう。血糖値が少しぐらい高くたっていいじゃないか(笑)

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