糖尿病という病いを患って、かれこれ30年になる。「苦節」という言葉は嫌いであるが、1型糖尿病になって色々と嫌な経験はしてきた。昔は、2型糖尿病と間違われることをひどく嫌ってきた。

ランゲルハンスがある連中と一緒にするなよお〜

 

甘いもの食べちゃダメなの?

1型糖尿病という病いを見知らぬ人へ伝えて、恐らく一番多かった受け答えである。意地の悪い筆者は、別に甘いものも食べられるけど・・と心では叫びながら、健康な人の知識のなさ、いや関心のなさと言っても過言ではないだろう、そんな人たちに我が病いをクドクド説明する気にもなれない。

そんなときに、いつもこう思うのだ。

「甘いもの = 糖分が多い = 血糖値が上がる」

きっと相手の頭の中はこのような図式になっているに違いない・・いや、健康な人ならば、この程度の知識であると。そうなると僕の頭はこう答える。

「甘いもの = ダイエットコーラ = 血糖値は上がらない」

 

だから甘いもの全てが悪いわけじゃない

と言いたくなってしまうのである。だけど、相手はこの世で一番幸せと思われる健康人。しかし、その有難い幸せなど気づくことなく、毎日の健康は当たり前と思っている大バカものである。そんな不良連中にクドクド説明したところで、人間関係は悪化するばかりである。

こういうときに、僕は孤独を感じるのである。それでも、今まではなんとか理解してもらおうと頑張ってきたのである。しかしながら、最後は「ぬかに釘」となり、こちらもヘロヘロになってしまうのである。

面倒くせえ、説明するの・・

 

This is my insulin pump

I know a insulin pump. Can I check it?

とある海外の空港での手荷物検査官とのやりとりである。記憶が定かであれば、8年前のことである。アジアの空港だった。

インスリンポンプは知ってるよ

そんな検査官の発言にはびっくりした。日本ではまたインスリンポンプがレアな時代だったから、検査官に対しては、こう質問した。

僕 「そんなに何度もインスリンポンプを見ているの?」

検査官 「そうだね。最近付けている人をしょっちゅう見かける」

 

この検査官、糖尿病を良く知っているかも・・

こんな検査官とのやり取りから、そういう錯覚に陥ってしまうのであった。いや、この国の人々は糖尿病に詳しいのかもしれない、妄想は膨らんでしまった。

だけど、病気は「本人がどう見るか?」ももちろん大切であるが、「相手がどう見ているか?」でも大きく変わってくる。いつも少数派である我々1型糖尿病患者は他者からの理解は得がたい反面、理解してくれる誰かが変な孤独感を少し消し去ってくれる。そうではなかろうか。

もちろん、すべての人が糖尿病を理解してくれる、そんな世界は理想である。しかし、そんなところはどこにもないのが現実である。だから、こうやってブログを書いて、少しでも広めようと画策している筆者なのである・・

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