糖尿病という病いは、自己管理が大切であり治療は延々と続く。自分という人間の本性が見える病いなのかもしれない。減量していりゃ、誰だって脂っこいものにヨダレが垂れる。先日、減量している友人が串揚げ食いてえ〜、と言ったのも本当に頷ける。

 

強い意志を持って治療

人間が意志を持って何かを続けていくには、それなりの覚悟が必要である。しかし、無理強いされた意志や覚悟などは、なにかで挫折すれば簡単に折れる。そんなものではないだろうか・・実は筆者も大学受験を企んでいた時期があったが、高校時代の世間の誘惑に負け、全く続かない意志に変わってしまった。

賭場が僕を誘惑したのだった。

 

なぜ意志は折れてしまったのか?

筆者は高校時代に果てしない無謀な大学受験をしようとしていた。ゴールは国立大学合格であった。頑張って意志を貫くため気合いだけは十分だった。予備校の申し込みにいって、国立大コースを選択した。しかし、筆者の予備校通いも3日で終わった。

自分で決めた大学受験であったが、3日坊主で意志は折れた・・・

 

意志や覚悟の弱さ

なぜ予備校が嫌になったか考えた。振り返れば無謀な挑戦であったし、勉強癖もなかったし、机に座る習慣すらなかった。つまるところ、ステップバイステップで進めばもう少し前進できたはずであった。例えば、まずは机に1時間毎日座る、それを3日間続ける。机に座って勉強などしなくても、座る習慣だけつけば、もうちょっと筆者の未来は変わっていたに違いない。

だけど無謀な野望に、追いつかない現実を目の当たりにして、すぐに諦めてしまったわけだ。

減量だってそうではないか。体重100kgの人が70kgまで減量する目的を持ったとする。減量中はとかく今まで食べていたものを食べたくなるものだ。その上、計画も立てずに70kgに挑戦すれば途中でポキンと折れてしまうだろう・・

 

もし意志や覚悟を持つならば・・

これは筆者の経験談であるが、まずは出来ることから無理なく3日間続けてみる。3日間も出来た!という達成感は絶対欲しい。糖尿病になって30年が経つけど、一番つらかったのは最初の治療に腰をあげる瞬間である。インスリン注射の恐怖だったり、血糖を測ったり、食事療法をしたり、とにかく最初が一番面倒で怖い。

ただ、順番通りに無理なくこないしていけば、意外と慣れてくる。あんなに嫌だったインスリン注射にも慣れてくる。あんなに面倒だった血糖測定にも慣れてくる。あんなに行きたくなかった病院にも慣れてくる。そして、この慣れこそが「意志」や「覚悟」に変わるものだと筆者は思う。

 

怠惰な筆者は最後にこう思う

「意志」や「覚悟」という言葉は長続きしない。気合いを入れるぐらいなら、淡々とまずは開始しよう。なんだっていいじゃないか。食事療法からでも、血糖測定からでも、病院に行くことからでも。そして、まずは3回続けてみよう。

かなり意志が弱く、怠惰で、面倒臭がりの筆者である。しかし、糖尿病治療は30年間続けている。なんで続いたのか?振り返れば、そこは意志のパワーでもなく、覚悟の威力でもなく、ただ単に続けていて慣れてしまったように感じているからだった。

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